haharunoのブログ

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2022年11月11日(金)日帰りで奈良へ

2022年11月11日(金)正倉院展を見に行くのに合わせて休みを取り、朝から奈良へ日帰り旅行。私が予約した正倉院展の入場時刻は16~17時の間なので、それまでは奈良県内のお寺を巡ろうという計画です。

近鉄から発売されている奈良・斑鳩1dayチケットを使って朝6時前に家を出発しました。奈良・斑鳩1dayチケットは指定区間近鉄奈良交通バスが乗り放題になるほか、一部の観光地やお土産物屋さんでは割引も受けられます。元は取れているのでしょうか。

午前中は法隆寺中宮寺

まず訪れたのは、世界遺産法隆寺。中学生のころの修学旅行以来です。近鉄筒井駅で電車からバスに乗り換えます。この日の奈良の最低気温は10℃を下回っていたため、朝7時を過ぎていてもまだまだ寒かったです。

法隆寺の最寄りのバス停で下車し、松林に囲まれた砂利道を通って南大門へ。朝8時の開門時刻を狙って行ったため、まだまだ人はまばらでした。8時を伝えるサイレンと鐘の音を聴き、境内へ入ります。

南大門をくぐったところでスマホ撮影。遠目に伽藍が見えてきました。

まずは西院伽藍で五重塔・金堂・大講堂を見ていきました。一層目からは、711年に作られた等本塑像を少しだけ見学。1,300年以上前に作られたものを今でも見られるなんて感激です。金堂では、中に入って間近で仏像を眺めることができました。

大講堂には、薬師三尊像が安置されています。見上げるほどの大きさで、とても穏やかな表情をしていました。

次は「大宝蔵院」という宝物館へ。修学旅行のときは中を素通りするだけで、展示品をほとんど見られなかったので、内容は変わっているかもしれませんが楽しみにしていました。

建物内に入ると、大きなタッチパネルが2台。西院伽藍の五重塔や金堂、大宝蔵院に所蔵されている宝物の解説と細部の写真を見られました。

建物は2棟あり、初めの展示室では仏像をたくさん展示していました。飛鳥時代奈良時代に作られたものが多かったです。よく見ると色や柄がうっすらと残っている仏像がいくつもありました。

また、うずくまる人(小鬼?)を台のように見立て、その上に仏像を立てているものも。何か逸話のようなものがあるのでしょうか・・・。

1棟目と2棟目の間には、百済観音像を安置するお堂がありました。百済観音像は、ひょろりと細長い姿が印象的。ほかの仏像とは異なる、独特の雰囲気を感じました。

大宝蔵院2棟目では、法隆寺にまつわる宝物や工芸品を展示。歴史の教科書でよく見かける、3人の人が描かれた「聖徳太子二王子像」も!「七星剣」は切先に北斗七星が彫られていました。

移動の時に見た紅葉をスマホで撮影。日光がよく当たる葉は、きれいに赤くなっていました。

一方、まだ紅葉していない木もたくさんありました。一度にいろんな色のモミジを見られて得した気分です。

貴重な宝物をたくさん見られて、ホクホクしながら東院伽藍へ。西院伽藍と比べるとこぢんまりとしていました。

ちょうど本尊の特別開帳の時期とタイミングが合っていたため、夢殿の内部も少しだけ見ることができました!夢殿の周りをぐるりと一周して、すぐ隣にある中宮寺へ向かいします。

法隆寺の入場券を持っていると100円引き、奈良・斑鳩1dayチケットを使うと団体料金で200円引きだったので、迷わず後者を出しました。ええ、迷わずに。

本堂は水の上に浮かぶようなデザインで建てられており、なんだか近代的。パンフレットによると、昭和43年5月に落慶した建物だそうです。昔からあるお寺の建物の雰囲気は残しつつ、最近の建造物らしさも混ざっている本堂でした。

ご本尊の菩薩半跏像はなんだか優しいほほえみ。「世界の三つの微笑像」の1つにも数えられているそうです。刺繍で作られた曼荼羅「天寿国曼荼羅繍帳」の複製品も見られました。

 

中宮寺を出ると11時前。バスに乗って近鉄奈良駅へ向かいます。法隆寺から近鉄奈良駅へ向かう手段は、バスと電車を乗り継ぐ方法と、本数は少ないですがバス1本で行く方法がありました。

たまたまタイミングがよく、バス1本で行ける方法で近鉄奈良駅まで行くことができました。近鉄奈良駅に到着して少し時間に余裕があったので、和菓子屋さんでお土産のどら焼きを買ってから昼食を食べに行くことにします。奈良ではどら焼きのことを「三笠」「三笠焼き」と呼ぶようで、商品名にもなっていました。

午後から浄瑠璃寺へ行きたかったけれど・・・

お昼を食べ終わったら、いざ浄瑠璃寺へ。平安時代のお堂の様子を残す数少ない寺院で、紅葉の写真もきれいだったので一度行ってみたかったのです。奈良市から少し離れた京都府木津川市にあり、11月は近鉄奈良駅からもバスが出ているので簡単に訪れられそうでした。

しかしここでハプニングが。まずは乗るバスを間違えます。乗りたい便より1分ほど早く到着する別の便に乗ってしまったのです。バス停に並んでいた人のほとんどが乗車したため、なんとなく流れに合わせて乗ってしまいました。

バスの中で路線図を確認して間違っていることに気づき、途中下車することに。数分待っていたら乗りたかった便がやってきたので、もう一度乗車しました。近鉄奈良駅前のバス停でバスを待っているときにきちんと調べておけばよかったです・・・。

 

気を取り直してバス停「浄瑠璃寺口」まで行って下車したところ、本日2回目のハプニングが発生。バス停から浄瑠璃寺まで約3kmという看板が立っていたのです。

少し歩いてみましたが、途中から長い坂道が始まりそうでした。私が今回予約した正倉院展の入場時刻は16~17時のため、今からバス停から浄瑠璃寺まで歩いて往復して観光するのは難しいです。今回は浄瑠璃寺へ行くのを断念し、奈良市内へ戻ることにしました。

引用:写真AC

家に帰ってから調べてみると、浄瑠璃寺の最寄りのバス停は「浄瑠璃寺」という名称であること、そして近鉄奈良駅から浄瑠璃寺の最寄りまでのバスが運行しているのは土日祝日のみということが分かりました。

東大寺正倉院奈良公園

奈良市内に戻ると時刻は14時30分ごろ。正倉院展までは時間があるので、東大寺正倉院奈良公園へ散歩しに行きました。

バスを降りたらいきなり鹿が急接近。手にどら焼きの袋を持っていたので、匂いにつられたのかもしれません。

園内は修学旅行生や国内外からの観光客であふれかえっており、平日とは思えない賑やかさ。公園の木は5~6割ほど紅葉していました。

スマホ撮影

今回は東大寺の大仏殿には入らず、南大門の金剛力士像を見た後、大仏殿を中門の外側から眺めて正倉院へ。正倉院までの道のりでも紅葉や大仏殿の外壁を眺められて満足です。道中には鹿が発情期に入っているので、必要以上に近づかないよう注意する看板も立っていました。

正倉院は想像以上の大きさ!高床式の倉庫で、地面から倉庫の床までは大人が1人立てるくらいの高さです。宮内庁が運営している正倉院のサイトで確認したところ、床下は約2.7メートルあるとのこと。大人1人どころか、子どもを肩車しても余裕で立てそうです。

紅葉や鹿の写真を撮ったり、建物を眺めたりしていたらあっという間に1時間以上が経過。正倉院展の入場時刻が迫っていたので、奈良国立博物館へ向かいます。

スマホ撮影。気持ちよさそうに目をつぶっています。

旅のメイン・正倉院展

奈良国立博物館に到着したら、少し時間が早かったようで10番目くらいに並べました。入場時刻ちょうどに館内へ!今年は8章構成で、以下のようなテーマの宝物を展示していました。とりあえず覚えているものだけ、こんな感じだったと思います。

  • 調度品
  • 奈良時代の貴族の衣装(今年は「帯」に注目)
  • 天平時代の演劇(東大寺落慶法要などに使ったもの)
  • 文書類
  • 正倉院宝物の保存事業(今年は布製品がテーマ)

展示室内に入って初めの方に展示されていたのが、虎とウサギを描いたレリーフシルクロードの東西交流の様子が伺える作品だそうです。じっくり見てみたのですが、首や胴体が絡み合って、どれが虎でどれがウサギかなかなかわかりませんでした。

少し離れたところにある、色分けをした解説パネルを見てようやく虎とウサギの位置関係が判明!もう一度実物を見に行きました。

演劇で使った宝物で印象に残っているのが、お面です。「お面」といえば顔面だけ覆い、後頭部あたりで紐を結んで固定するものをイメージしていたのですが、展示されていたものはヘルメットのような形をしていました。

こんな感じのお面を想像していたのですが、実物は違いました。

展示されていたお面は、顔面をしっかりと覆い、ヘルメットのように頭から被って身に着けるような形でした。しかも木製とのことだったので、かなり重たそう。これを被って踊っていたのかと驚きました。首は痛くならなかったのでしょうか・・・

文書類は漢字ばかりですが、書体は現在の活字のような印象で、現在も使われている文字もちらほら確認できました。かな文字が作られる前に書かれた文書なんだなと思うと、歴史の長さを感じます。

住民名簿には性別や氏名、年齢のようなものなどが整然と記録されていました。住民名簿以外の文書では「伊豫」の「温泉郡」という地名も読み取れて、愛媛県にある道後温泉の周辺の地域のことかな?と少し気になりました。

ほかにも、防虫剤として使われていたと考えられている袋とその中身、帯飾りと考えられる手のひらサイズの小刀や指先サイズの金具などが展示されていて、見ごたえがありました。

布でできた宝物の保存は、布切れや糸、粉末などを4段階くらいに分けて、劣化したものまできちんと管理しているとのこと。途方もなく細かく繊細な作業を経て、正倉院展の宝物は陳列されているんだなと感動しました。

2時間かけてじっくりと宝物を鑑賞でき、とても満足です。外は真っ暗でしたが、あえてバスを使わず余韻に浸りながら近鉄奈良駅へ向かいます。

元は取れているか

近鉄奈良駅の駅ビルにあるサイゼリヤで、ミラノ風ドリアとすっきりレモンのシャーベットを食べてから自宅に戻りました。奈良・斑鳩1dayチケットの元は取れているのでしょうか。

発売額が2,000円だったので、2,260円もお得になりました!あちこち巡れて満足です。また来年も、正倉院展に合わせて奈良へ旅行に行ってみたいです!