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餅以外にもある!関東と関西の食文化の違い5選

言葉のイントネーションやエスカレーターの立つ位置など、何かと違いを比較されやすい関東と関西。食文化だと、お雑煮に入れる餅の形の違いがよく挙げられます。関東は四角い角餅、関西丸い丸餅のような食文化の違いはほかにもたくさん。そこで今回は、関東と関西の食文化の違いを5つご紹介します。

すき焼き

関東のすき焼きは、醤油・砂糖・みりん・出汁などで作った「割り下」を使います。調理方法は、割り下を入れた鍋に野菜や牛肉を投入し、一緒にグツグツ煮込んでいくのが基本です。

対して関西では、割り下を使いません。調理方法も「煮る」のではなく「焼く」のが一般的。初めに鍋で肉を焼き、色が変わってきたら砂糖と醤油で味付けをします。次に水分が多い野菜から順番に鍋に入れていき、少しずつ割り下の代わりになる汁を抽出していくのです。調理に使用する水分が少ないぶん、関西風のすき焼きの方が味が濃い傾向にあります。

月見団子

中秋の名月に欠かせない月見団子も、関東と関西で違いがあります。関東の月見団子は、丸いお団子をピラミッド状に積み重ねていきます。団子の色はシンプルな白です。

関西の月見団子の形は里芋型といって、細長い楕円形なのが特徴。昔の中秋の名月では秋に収穫ができる里芋をお供えしていた名残で、現在も里芋型のお団子が作られています。団子にはこしあんをコーティングするのが一般的です。こしあんが潰れないよう、飾るときはお皿やお盆の上に1個ずつ並べていきます。

カレーや肉じゃがに入れる肉

カレーや肉じゃがに入れる肉は、関東は豚肉、関西は牛肉が主流です。人々に親しまれる肉が違う理由は、日本の農業文化と食文化の歴史を振り返ると明らかになっていきます。

かつて日本では、農業用の家畜として関東は馬、関西は牛を使っていました。明治時代になり肉を食べる文化が西洋から入ってくると、兵庫や岡山といった西日本の和牛の産地では牛肉が食べられるようになります。関西ではもともと農業家畜として身近だった生き物が、食用としても好まれるようになったことが伺えますね。

対して関東では馬肉を食べる文化が根付かず、関東大震災以降に養豚事業が流行したことで、豚肉が身近な肉になったようです。

出汁

関東はかつお節、関西は昆布で出汁をとるのが基本です。出汁をとる素材が違う理由は諸説あります。

まず挙げられるのが、良質な昆布を入手する難易度の違いです。かつて関西では北海道方面からの献上品として、良質な昆布が送られていました。北海道を出発した船が日本海を通り、関西で昆布を加工してから全国へ流通していたため、関西はほかの地域と比べると良質な昆布を入手するのが簡単でした。

対して関東では、関西から運ばれて日数が経過した昆布が多く、味も落ちていたため昆布出汁の文化が根付かなかったと考えられています。

ほかにも、関東の水質が昆布で出汁をとるのに適していなかったことが原因とも言われています。

うなぎ

うなぎは、東西でも特に違っている点が多い食材です。まず違うのが、うなぎの開き方。関東は「背開き」なのに対し、関西は「腹開き」が主流です。

関東は侍の文化が根付いており、腹開きは「切腹」を連想させて縁起が悪いため、避けられるようになりました。一方関西では商人文化が栄えており、「腹を割って話す」ことをよしとするため腹開きになったとされています。

次に東西で違うのが、ウナギの調理法です。関東ではうなぎを一度素焼きにし、柔らかく蒸してからタレを塗ります。あらかじめ火を通しておいたうなぎをたくさん用意しておき、注文が入ったらタレを縫ってすぐに提供できるため、短気な江戸っ子にはぴったりです。

関西でうなぎを調理する際は、じっくりと焼いて火を通していきます。うなぎが焦げたり硬くなったりしないようにする、繊細な技術が求められます。

東西の食文化の違いを楽しもう!

関東と関西の食文化の違いは、今回紹介したもの以外にもたくさんあります。交通機関が発達して遠方との交流が簡単になり、文化が融合していきそうな気もしますが、現在もここまで違いがはっきり残っているのはおもしろいですね。東西の食文化の違いを知って、いつもと違う味付けの料理を作ったり、旅行へ行ったりするときの楽しみにするのもおすすめです。