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2022年11月25日(金)京都国立博物館の特別展

2022年11月25日(金)に、京都国立博物館の特別展を見に行ってきました。備忘録的な感じで、感想などを少し残しておこうと思います。

仕事を早めに切り上げ、京博に到着したのは午後5時過ぎ。金・土は午後8まで開館しているので、のんびり鑑賞できそうです。

博物館内の混雑具合・展示室の様子など

博物館内は全くと言っていいほど混雑していませんでした。1つの展示室に多くて20名ほどいたのですが、部屋の面積が広いので圧迫感は感じません。

最前列で隅々まで展示品を見られました。展示品同士の間隔も広く取っていたような印象で、むしろ開放感があるくらいでした。

展示について

今回の展覧会のテーマは「茶の湯」。日本に喫茶文化が伝来した時代から、近代の茶の湯についてまでを時系列で展示していました。博物館でもらった出品目録によると、約2カ月の会期で、展示内容を変えながら合計245点も展示したそうです。

実際に展覧会を見ていくと、茶碗・掛軸・花入・書物など、茶の湯に関する展示品がたくさん展示されていました。

個人的に興味をひかれたのは、喫茶で使われる茶碗の変化。展示を見ていると、喫茶文化が日本に伝来した頃は表面がツルツルしていて中国で作られたもの→桃山時代・江戸時代初めはあえて形を崩したり傷を付けたりしたもの→少し遅れて色絵で装飾した華やかなものへと流行(?)のようなものが変化しているような印象を受けました。

引用:pixabay

掛軸は実際に茶室に飾られるものだけでなく、昔の人も喫茶文化に親しんでいたことが伺える作品も展示されていました。お寺でお茶を飲む準備をしている様子や、街道に沿って茶屋が立ち並んで大勢の人が立ち寄っている様子など、描いている場面は作品によりさまざま。

「昔の人もお茶を飲んでいたんだなあ」とか「初めは貴族やお寺が中心だったけど、少しずつ民衆まで広まっていったのかな」とか思いながら作品を眺めていました。

茶葉をを入れる茶壷と棗(なつめ)も見ごたえあり!茶壷は釉薬の色や壺のシルエットが作品によって異なり、釉薬の色がグラデーションしているもの、コロンと丸いもの、四角柱のような形のものなどがありました。

棗は漆塗り・蒔絵・螺鈿などを用いた装飾がとてもきれいでした。特に、竹籠・扇・藤の花を組み合わせた絵柄を描いていた作品が印象に残っています。

そうこうしているうちに、かなり時間が経ってしまいました。まだ見ていない展示室が6つもあるのに、閉館時刻まで1時間を切っていたのです。少し急いで鑑賞することにします。

 

引用元:いらすとや

1階の展示室では、豊臣秀吉を描いた掛軸と、千利休を描いた掛軸が並んで展示されていました。「この2人昔は交流があったけど、最後は豊臣秀吉千利休切腹を命じたんだよね・・・」なんて思いながら、茶室を再現した模型に目を向けます。

千利休の「わび茶の茶室」は本当に質素!逆に豊臣秀吉の「黄金の茶室」はとても豪華で、真っ赤な障子にはうっすらと花のような絵柄が織り込まれていました。

時代が下るにつれ、少しずつカラフルで豪華な茶碗や花入が増えていきます。野々村仁清の彩色を施した茶碗と、本阿弥光悦の質素な茶碗が同じ展示室内の近くに展示されていて、対比が興味深かったです。

最後の展示室では、近代の茶の湯の道具が展示されていました。開国によって西洋の文化が入ってきた影響で、テーブルと椅子を用いた新しい茶の湯の形式も開発されたそうです。昔の人たちの努力があって、現在まで日本の茶の湯の文化が続いているんだなと思いました。

最後に

平成知新館を出たら夜8時ちょうどくらいでした。写真はライトアップされた明治古都館です。

数ある展示品の中でも、特に見ることができて嬉しかったのは、本阿弥光悦が作った茶碗。大学の卒業論文本阿弥光悦と蒔絵をテーマにしていて、人物像を調べる際に焼き物を作っていたことも知ったので一度実物を見てみたいとずっと思っていました。

本物を目にしたときは「やっと見られた!」と内心とても興奮しました。粘土をこねて成形した素朴さや、あえて指やヘラで形を歪ませている不完全さに逆に目を引き付けられ、もう少し眺めていたかったです。

後半は駆け足になってしまいましたが、なんとか全ての展示品を見ることができました。茶の湯が現在の形になるまでの変遷や、各時代の優品を鑑賞できて本当に楽しかったです!

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